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2021/07/29
エレベーター内におけるゲシュタルト崩壊からの“Less is More” ~UI/UX的考察~

記事作成日:2021/07/29

記事を書いた人
KOMAi

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みなさん、エレベーターの「開ける」「閉じる」ボタンを間違えたことはないでしょうか。
私はよく間違えます。入ってくる方の為に押して開けようと思うのですが、逆に閉めてしまって、ばつの悪い思いをしたことが何度もあります。もちろん私が悪いのですが、そもそもボタンが分かりにくいと思いませんか。

 

 

上の画像はよくあるボタンですが、この矢印記号が2つ並んでいると別の模様に見えませんか。
ゲシュタルト心理学の図と地の反転ですね。

視野に二つの領域が存在するとき、一方の領域には形だけが見え、もう一つの領域は背景を形成する。背景から分離して知覚される部分(形)を「図」といい、背景となるものを「地」という。「図と地」ということばを初めて使ったのは1912年デンマークの心理学者ルビンであり、これはゲシュタルト心理学の重要概念である。
メロディーは際だって聞こえ、伴奏は背景に退いて知覚される。このように知覚経験の各側面に図と地が現れ、とくに視知覚において著しい。一般に図となる領域は、形と輪郭線とものの性質をもち、面が固い感じで位置が明確で浮き上がって見え、一方、地は、形も輪郭線ももたず材料的性質をもち、面が柔らかく定位不明確で図の背後に一様に広がって見える。

出典:コトバンク 図と地

 

 

では、提案です。上の画像のような、〇×の赤青ボタンにしてはどうでしょうか。
×で開けようする人は少ないように思います。ただし、文化圏によっては、記号・色の意味がずれてくるかもしれませんね。

日本では一般的に〇は「良い」「正解」「可能」「OK」、×は「悪い」「間違い」「不可能」「NO」といった意味で使用しています。

説明書の機能表などには〇、×で表記されていることも多いかと思います。私たちはその記号の意味を当然のように理解していますが、欧米では同じように理解されない場合があるということを理解しておく必要があります。

例えば世界的に人気のゲーム機の〇×ボタン、日本やアジアでは〇は「決定」、×は「キャンセル」として使用しますが、欧米、ヨーロッパでは逆で、×が「決定」、〇が「キャンセル」の機能になります。アジア向け、欧米向けで機能設定が変更されているんです。

出典:1-STOP BLOG 「〇、△、×」海外では使えない?

 

日本人は直感的に正解には「赤」のような暖色系の色、間違いには「青」のような寒色系の色が使われる機会が多いですが、アメリカでは赤はどちらかと言うとネガティブな意味(=間違い)として受け止められ、「赤い×」という色と記号の組み合わせで使われることが多いと言われています。一方、正解を示す色は「緑」であり、ちょうど信号機と同じ色の意味合いとなっているのです。

出典:株式会社クロス・マーケティング ×はOK?赤い色はネガティブ?記号や色が示す意味合いの差異とは?

 

ではどうしたら良いでしょうか。エレベーターのドアの閉開時に、体験として重要なのはどちらでしょうか。
とっさに開ける機能だと思いませんか。ならば、いっそ上の画像のように1つのボタンにした方が、清くてわかりやすいのではないでしょうか。機能不足と考える人のためには、裏技で2回連続押しで、閉まるとかでよいのではないでしょうか。

ユーザーの行動を制御するためには、機能を省き、行動を制限することが必要になります。
親切すぎるのはかえって迷惑でしょう。“Less is More(少ない方が豊かである)”という考え方があります。
この言葉をミース・ファン・デル・ローエが日本庭園をみて着想を得たのは皮肉ですね。
appleやamazon製品と日本の家電を比べてみてください。現代においては「禅」や「侘び寂び」の思想は海外の方に根付いているようです。

 

とりあえず、エレベーターの閉開ボタンのユニバーサルデザインの出現は、まだしばらく待たないといけないようです。

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