“レコード” ブームの再来

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“レコード” ブームの再来

春ですね~!
暖かくて穏やかな日はまったり優雅に音楽でも聴きたいものです。
さて今回は、昨今話題に上がることの多くなった
「アナログレコード」(以下レコード)についてです。

iTunesやAppleMusic、LINEMUSICなど
インターネットで楽曲を聴く・買う人が増えた今、
CDが売れない時代になっています。

その中、着実に売り上げを伸ばし再ブームとなっている
レコードについてご紹介していきたいと思います。

<レコードって?>

皆さん映像や写真などでも一度は見たことがあると思います。
そう、あの黒い円盤です。


(世界のレコード展にて撮影)

CDとの違いは、簡単に言いますと、アナログとデジタルかということです。
CDはデジタル情報を基盤(キラキラ光っているところ)に記録し、
再生時にレーザー(光)で読み取る。
対して、アナログレコードは音のアナログ信号をそのまま
ビニールディスクの音溝(おんこう)に刻み記録。
ざっくり説明しますと、溝に針が触れた状態で、
音に合わせてレコード針が振動することで記録するというイメージです。
再生時はその溝をレコード針がなぞり振動、
その振動をカートリッジという部分が電気信号に変換し、
アンプが音量を増幅させ、音を再生します。(アンプが無いと相当音が小さくて聞こえません…)

再生方法が大きく違い、レーザーによるデータ再生でのCDに比べ
針で溝をなぞることで再生するレコードですが、
実際、音はどちらも大差なく同じように聞こえるのでは?という意見もあると思います。

「CDは近年、①ムラなく聴きやすくする②他音源に負けないよう音圧を稼ぐためにコンプレッサーが
キツめにかかっておりダイナミクスが本来の演奏より感じられなくなっている。」
と、言われているのをよく聞きます。
その点、レコードは可聴域外の周波数がそのまま録音されているものも多く
本来の演奏により近いものを再現することができます。

本物の演奏に近い音源はよく温かみがある音だと表現されます。
レコードならではの良さは体感することでわかるのでしょう。

<レコードとCDの現状>

ここ数年レコードブームといえど、実状その普及率は低いのではないでしょうか?
CDが売れなくなり音楽配信サービスが流行になっている今、
売上はどのようになっているのでしょうか?

レコード協会の調査結果によりますと、下記引用のとおり
音楽配信は4年連続プラスの成長を遂げ、CDは前年比でみるとマイナスとなっています。
その中で総売り上げ枚数は少ないものの、前年比から+33%と著しい成長を遂げているのが
アナログディスク(レコード)であり、こちらも音楽配信と同じく4年連続プラスの成長です。

オーディオレコード
オーディオレコードは、数量が1億5,437万枚/巻(前年比
96%)、金額では1,739億円(同98%)となった。内訳は、CDアル
バムが数量で1億179万枚/巻(前年比97%)、金額では1,297億円
(同98%)、CDシングルは数量が5,050万枚/巻(前年比93%)、金
額では410億円(同96%)となった。アナログディスクは数量が
106万枚(前年比133%)、金額では19億円(同132%)となり、4年
連続で数量・金額ともに大きく伸長している。なお、アナログディス
クの100万枚超えは、2001年以来16年ぶりとなる。

音楽配信
音楽配信は、金額で573億円(前年比108%)となり、4年連続の プラス成長となった。内訳は、ダウンロードでは、数量が1億1087 万ダウンロード(前年比96%)、金額は271億(同99%)となり、共 に前年を下回った。この内シングルトラックについては数量(1億 49万ダウンロード、前年比95%)・金額(166億円、前年比95%)と もに前年を下回ったが、アルバムは数量(928万ダウンロード、前 年比111%)・金額(102億円、前年比107%)ともに前年を上回っ た。また、伸長を続けるストリーミングは金額で263億円となり、音 楽配信売上金額の区分別シェア率では、ダウンロードが47%、スト リーミングが46%となった。

引用:日本の レコード産業 2018 – 日本レコード協会(https://www.riaj.or.jp/f/pdf/issue/industry/RIAJ2018.pdf

レコード市場の急成長もあり、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は
約29年振りにレコードの再生産をすることを発表しています。
SMEの水野道訓代表取締役CEOは、「アメリカではアナログレコードの売上が300億円規模まで伸びている。日本でもここ数年で急速に成長しているが、まだまだ30億円ほどの売上規模。しかし、パッケージに愛着のある日本人には、アナログレコードはもっと浸透していくはず。ソニーミュージックグループでは、アナログレコード市場を成長分野として捉え、アナログレコード関連ビジネスに一丸となって取り組み、市場拡大を図っていきたい。今回、自社での一貫生産が可能になったことにより、今後は商品のラインナップを増やし、アナログレコードの持つ魅力をたくさんの方々に知っていただけるよう、一層努力していく」とコメントを残しています。

<再ブームの理由>

成長し続け再ブームを果たし徐々に売り上げを上げているレコードですが、
その背景には多くの理由があると思います。
その中から個人的観点で3つご紹介していきます。

①レコードプレーヤーのライト化
プレーヤー・アンプにスピーカーと、
本意気で聴きたい人とは違うライト層にとっては
機材をそろえるのに大きな費用とスペースが必要であったため、手が付け難かった。
しかし、レコードプレーヤーの進化に伴い、
プレーヤーにアンプとスピーカーが内蔵されているものが出来たのです。
金額も1万円前後~と手が付けやすく、ライト層にも人気がでる結果に。

②手間がかかる良さ
今は画面をタッチするだけで無料ですぐに好きな音楽が聴けてしまう。
そんな世の中にわざわざ針を落として音楽を聴くことに価値を感じる人が増えた。

③業界のアプローチ
日本アーティストの多くも積極的にレコードの発売を行うことにより
少しずつ「レコード」が身近に感じられるようになっていきました。
また、大きなジャケットはインテリアにもなり、おしゃれなイメージがブームに火をつけた。

<様々なプレーヤー>

クラウドファンディング等で様々なプレーヤーが生み出されてきた。
その中でも特に印象的だったものは、

①レコードの上を走るプレーヤー
RECORD RUNNER / レコードランナー
引用:http://diskunion.net/clubh/ct/news/article/0/54810

まったく場所を取らず、聴取可能なレコードランナー。
しっかりした機材とは比べられないがライトに楽しめるものだと思います。
見た目もかわいらしく、プレゼントにいいかもしれませんね。

②自作するプレーヤー
SPINBOX / スピンボックス
引用:https://www.clubberia.com/ja/news/10118-DIY/

スピンボックスもライト層向けで様々なチャレンジができます。
アンプとスピーカーが内蔵されている持ち運び可能なレコードプレーヤーで
見た目もしっかりしており、かっこいい。
値段は1万6千円ほどで、私も欲しいなと思って狙っています。

このようにライト層でも気軽にレコードを聴くことができる機材が作られています。
この機会にレコードを聴いてみてはいかがでしょう?

<まとめ>

以上、“レコード”ブームの再来についてでした。
ライト層を取り込む動きと、業界全体がレコードの普及につながる動きをしていた結果
現在のブームへとつながっているのだと思います。
音声・音響等に関わるものとして、急成長を遂げているレコードの流行が
今後、業界全体に対してどのような影響を与えていくのか注目したいと思います。
音楽だけではなく、例えば、ラジオドラマやナレーション・施設案内など、
様々な音声コンテンツがレコードに関わっていくという未来があっても
面白いのではないでしょうか。

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